2015年8月アーカイブ

日本には侘び寂び、閑寂・清澄、枯淡の境地などという本来ならば負の感情や衰退などを意味する様な、しみじみとした哀愁や不完全を愛する文化や美があります。それとは逆に超絶技巧と呼ばれる明治工芸の作品たちには、そのほとんどがきらびやかで色彩鮮やかな意匠が多く、完成された美が求められます。前原さんの作品からはその相反する様に思える二つの文化を感じることが出来ます。寸分の狂いも許さないその技術で、不完全な哀感を表現する氏のセンスに惹かれました。

まるで本物の大理石と錯覚してしまうこの台はどこにも継ぎ目はなく、一木のサクラから彫りだされています。鋤鋏やカミソリも一木から彫りだされており、重たそうな見た目と裏腹に細部まで繊細に彫り込まれ、恐ろしく軽く仕上げられております。

ご本人はただ黙々と彫り続けるだけ、塗り続けるだけ。とおっしゃいますが、その刀痕さえ一切残さないスタイルは、想像以上の労力と妥協を許さぬ執念が必要です。実際この作品も本当に長い時間をかけて制作して頂きました。

錆びれた風景の中にもどこか人がいた気配を感じる作品です。

size 61cm-24cm-3cm(h) 台のみ

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何と賢そうで、品のある表情をした猪だと、一目ぼれ致しました。

背中の蓑毛の表現、目と牙の控えめな象嵌、お尻の形、全体の姿、その全てのバランスが絶妙です。顔も角度によって、表情が違う様に見えます。友一の名作の一つではないでしょうか。

size 5.8cm-2.6cm-2.3cm(h)

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あの本阿弥光悦の白楽茶碗を漆で再現された驚くべき作品です。いつも写真を撮影してくれているカメラマンも手で持ってその軽さを体感するまで漆と分かりませんでした。細部のヒビや時代感まで表現されており、その出来栄えに唸ってしまいます。

彦十蒔絵の若宮隆志さんは古典技術の研究にも熱心に取り組まれ、それをご自身の制作に生かしておられます。伝統的な技法や名工の技術を研究し、新しいかたちで表現される現代の頼もしい作家さんです。

明治の名工の作品などを交えて若宮さんとお話していると、職人の方にしか分からない作品の見方などを解説をして頂き、とても勉強になっております。

size 12cm-11.5cm-9cm(h) 共箱

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何と、天目茶碗まで制作頂きました。禾目の美しい色合いに品位を感じます。素地の風合いと薬溜まりの表情が何ともリアルで、こちらの出来にも唸ってしまいます。

12cm-12cm-7.5cm(h) 共箱

Sold

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