これぞ超絶技巧、見る者を思わず唸らせる驚愕の彫技です。
何とこの作品はすべて一本の木から彫りだされているのです。顔を近づけ、ルーペで間近に作品を見てもその事実を確認するのは難しいです。しかし、やはりどこにも継ぎ目はありません。蛙、蝸牛、釣瓶の底もすべて一体です。
特に釣瓶の内部や底部を彫るのは技術、根気共に使う作業だったでしょう。しかしこの途方もない作業の中にも職人のユーモアを感じることができます。上部の輪環はまるで本物の鉄の様に彫りだされており、カラカラと動きます。底には必要ない釘も飛び出ているなど、見る者を楽しませる小気味良い仕掛けが散りばめられています。
きっと正直たちもニヤニヤしながら彫っていたんだろう。そんな想像をしてしまう、楽しい作品です。
size 26-23-34(h)cm 銘あり 共箱